自己実現と社会貢献を志す人へ

先生&生徒のつぶやき

2024年10月

2024.10.16

お米作りと秋祭り

執筆者:副校長  山下 久夫 山下先生

私は大阪でお米を作っています。
お米作りは私にとってとても大事な仕事の1つです。
今回は日本の米作りと神社の秋祭りについて考察したいと思います。

日本は古くから稲作と地域の神々との関わりを大切にして文化を受け継いできました。
我が家ではお米作りを親から子へ代々伝授しています。
わたしも父から全て教えていただきました。
また今私はその文化を自分の子供に教えています。
これによって我が家では日本伝統の稲作文化を伝承できていると思います。

稲刈り

先日、稲刈りが終わり収穫できたときには、大自然とご先祖様や周りの人たちに感謝の気持ちが自然と湧いてきました。
本当にありがとうございますという気持ちになりました。
地元では、稲刈りが終わると秋祭りの準備が始まります。
これは収穫への感謝と来年の豊作を祈る重要な行事です。
今まではあまり興味関心がなかったのですが、地元神社の『氏子総代』という役をしてから、一つひとつの神社の行事の大切さが少しずつわかるようになってきました。

祭り

日本では稲作文化と信仰が密接に結びついた結果、今もなお多くの地域でお祭りがおこなわれています。
これはとても大事な行事だと思います。
これからも多くの人がご先祖に感謝し、日本の伝統文化を大切に守り、子孫へ少しでも引き継いでいければ嬉しいなぁと思います。

2024.10.07

利他的偉人伝③「西郷隆盛~天を敬い人を愛した薩摩隼人~」

執筆者:教諭  藤原 彰将 藤原先生

利他的偉人伝、第三回は内村鑑三の著書『代表的日本人』にも選出されている、西郷隆盛を紹介します。

西郷隆盛といえば、明治維新の立役者として、歴史上の偉人の中でも非常に人気のある人物です。
1828年、薩摩藩(現在の鹿児島県)に生まれた西郷は、幕末という激動の時代に、改革を目指す志士たちと共に新しい日本を作るため奔走しました。
特に、薩摩藩と長州藩が協力して幕府に対抗する薩長同盟の締結や、大政奉還後の江戸城無血開城といった歴史的な出来事において、西郷隆盛の名前は必ず挙がります。
英雄的な活躍の一方で、彼には反政府思想を持つ薩摩士族のリーダーとして、明治政府軍と対立した「逆賊」としての側面もあります。

では、そんな多面的な顔を持つ西郷隆盛とは、どのような人物だったのでしょうか?
1868年、徳川幕府体制が崩壊し、明治新政府が樹立されると、西郷は新政府で重要な役職を務めました。
しかし、朝鮮との国交樹立を巡る問題で他の政府メンバーと対立し、数年で政府を去ります。
その後、西郷は地元鹿児島に戻り、私学校を設立して志ある若者を育て、日本の未来を担う人材の育成に力を注ぎました。
しかし、予期せぬ事態が西郷を待ち受けます。
政府に不満を抱いていた西郷の教え子たちが、政府の武器庫を襲撃する事件を引き起こしてしまったのです。
この事件をきっかけに、1877年、西郷を指揮官とする反政府軍と明治政府軍の間で西南戦争が勃発しました。
緒戦では善戦したものの、次第に薩摩士族軍は劣勢に追い込まれ、最終的には鹿児島県城山に追い詰められます。
政府軍の攻撃が激化する中、西郷は腹部に銃撃を受け、重傷を負いました。
瀕死の西郷は、自身の腹心である別府晋介に「晋どん、もうここらでよか。」と言い、東の方角に深々と頭を下げました。
その言葉に全てを悟った別府は、「ごめんなったもんし!」(申し訳ありません)と叫びながら、西郷の首を刎ねたと言われています。
享年51歳(満49歳)、壮絶な最期でした。

波乱万丈の人生を送った西郷隆盛。
その人生の根底には、一体何があったのでしょうか?
新しい日本を作るため、犬猿の仲であった長州藩と手を取り合い、江戸市民の生活を守るために江戸城無血開城を実現し、日本を守るために朝鮮との国交樹立を推進し、国の未来を思って私学校を設立しました。
さらには、教え子たちのために旧友と敵対し、命を落とすに至った西郷隆盛の生涯。
歴史的な事象だけを見れば、西郷隆盛は明治維新の英雄であり、政府を裏切った反逆者とも捉えられます。
しかし、彼の行動を見ると、それはすべて自分のためではなく、誰かや何かのためだったことが強く感じられます。

事象だけにとらわれるのではなく、「なぜ」「どのような思いで」先人たちは行動したのか。
この視点は、歴史を学ぶ上でとても重要な要素です。
西郷は「児孫のために美田を買わず」という言葉を残しています。
これは、自らが財産を残すと、子や孫がその恩恵に甘え、努力を怠るため、無闇に財産を残すべきではない、という意味です。
自らの利益や損得に振り回されることなく、信念を貫き続けた西郷の生き方こそ、我々日本人の在るべき姿を示しているのではないでしょうか。

西郷隆盛

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