先生&生徒のつぶやき
2023.04.20
利他と幸福
執筆者:校長 小野 康裕
今回は「利他と幸福」をテーマにお話します。
人は、誰でも幸せになりたいと願っています。
どうすれば、もっと幸せに生きられるのでしょうか?
もっと親の財産があったなら幸せになれる。
もっと頭が良ければ幸せになれる。
もっときれいに生まれたら幸せになれる。
もっと有名だったら幸せになれる。
その答えは人によっていろいろな意見があると思いますが、私が導き出した答えは「利他的振る舞い」です。
“利他的”な振る舞いと“利己的”な振る舞いでは、どちらの方が、多く年収を受け取ることができるのでしょうか。
興味深い研究結果があります。
スウェーデンのストックホルム大学のエリクソン博士らの研究によると、「利己的な人と利他的な人との年収についてどちらが高いか」を研究するため、4,017人にアンケートを協力してもらい、寄付やボランティア活動などの度合いを質問し、利他的か利己的かを調べ、その後の14年間の変化を調べたそうです。
その結果、最初は同額の年収であっても、その後において、利他的な人のほうが年収の増加率が高くなっていくことがわかりました。
利他的な人の年収は、利己的な人の1.5倍でした。
つまり、利他的な人と利己的な人では、利他的な人のほうが年収を多く受け取る人が多かったのです。
この理由は、利他的な人のほうが、周囲に気を使い、困っている人を助け、自分ができることを手伝ったりすることで、周囲からの信頼が増し、その結果、重要な仕事を任されリーダーに選ばれることになります。
それが、昇進に繋がり年収にも差が出てくると結論を出しています。
利己的な人より利他的な人の方が信頼できると感じることは、誰もが良くあると思います。
自分勝手な行動をする人よりも、他者を思いやることができる人のほうが安心でき、信用できます。
いつも自分勝手な行動をする人が困ったとしても、自業自得と言われ、誰も手を差し伸べることをしません。
逆にいつも利他的な行動をする人には、いざというときに他者が力を貸してくれます。
つまり、利他の心を持っている人は、このような人間関係(相互協力関係)が築きやすいことが、人生を幸せに生きることにつながるのではないでしょうか。
参照文献:『科学的に幸せになれる脳磨き』岩崎一郎から